今年も13名の受講者を志望動機を基準に選抜しました。宇治キャンパスの工事に伴う研究室の移転と重なって、カリキュラムが変則的となり自宅で子実体発生を観察しました。DNA実験も引っ越しの直後(最中?)となり、受け入れ側もバタバタとしていましたが、なんとか無事に実習を完了することができました。 協力してくれた皆さん、ありがとう。
受講生の感想
「きのこ」とは何か?というところから最先端の研究の話まで、すごくわかりやすく、やさしい言葉で説明していただき、とても興味深く講義を聞くことができました。また、高校で話だけは聞いていたPCR法を体験できて良かったです。途中で実験を失敗しそうになったことが何回かあったので、最後に電気泳動を行って、自分の抽出したDNAが確認できたときは何かほっとしてうれしかったです。(Sさん)
宇治キャンパスでの実習は私の期待通り、本格的な機械を使ったもので、興奮しました。ピペットを使った操作は難しかったですが、院生の方に手伝って頂いたおかげで、電気泳動解析もしっかりとデーターを取ることができました。研究室の案内ツアーも良かったです。四回生・大学院の研究室での生活も想像することができました。また、とても高価な機械を見て、このような機械を使える立場になる、京大生になることができて幸せだなと感じました。(T君)
「独りじゃ生きられないんは、人間だけじゃないんやな。」きのこと樹木との共生関係を学んでの最終的な感想です。そして、きのこと樹木がつながっているように、樹木と人間もつながっている、だからきのことわたしもつながっている・・・これこそが生態系で、それは単なる科学的な事項ではなく、とても暖かい概念なのだと思いました。(Sさん)
先生の研究を見つけて、農学部の応用生命に入ろうと思った位で、この講義は本当に楽しみにしていました。先生の人柄も良く、他の授業にはない、和やかな雰囲気で最後まで進みました。金曜の5限目にあったにも関わらず、毎回楽しみだという講義は、そう無いと思います。講義の内容は、大変わかりやすいです。研究についての説明は、おそらく他の先生がされると、難しく感じると思いますが、研究者としての本音も織り交ぜながら、段階に分けて説明して下さり、きのこの可能性を感じることができました。そして、この講義のもう一つの魅力である実習は、噂以上に良い経験になりました。(F君)
研究室を回って見学できたのもとても良かったと思います。ここは何をする場所かの説明を受けたり、ガスクロマトグラフィーなどの機械の使い方などを教わったりして、実際の研究活動の風景を見ることができたことは、4回生からの研究室配属後のイメージ作りにとても役立ち、他の学生よりも一歩リードした気持ちになりました。(S君)
最初のきのこの分類や名称などの講義までは、おお、きのこはこうなっているのか、と感嘆していたのだが、DNAあたりの講義になってきて壁に当たった。どうにもこうにも理解できないのである。生物やっていない、化学やっていない、そんな私はアルファベットの表す物質や単語の意味が全く持ってわからなかった。少しばかり自分が物理しかやっていないことに、文系なことに、後悔した。レジュメがあって良かった。講義後は寮に戻り10分くらいでレジュメをさっと読み返す。まったくわからないところは置いておいて、講義中にはあやふやだったところが少しだけ理解できた気がする。(Kさん)
この授業を受けてよかったなあと思ったのは、「実験に失敗はつきもの。その失敗をどう乗り越えるかが大事」と言うことを教わったときです。これは、文科系の研究にも当てはまると思います。こういう教訓は実験をたくさんこなしてきてわかることだと思いますし、自分も実験をしてみて少しわかることができたのは、とても貴重な教訓でした。(Tさん)
宇治キャンパスでは、やっぱり自分で実際に器具を使って実験できたことが良かったです。将来研究する身としては、早く研究をしたいと思いました(また、そのためにもっと勉強をしなければならないとも思いましたが)。理系に進んで良かったー、と改めて感じました。あと先生の話は面白かったです。初めて先生を見たときには少し堅そうでしたが、思ったよりユーモラスでした。(N君)
今回このポケットゼミを受講して大変楽しかった。普段何気なく食べている“きのこ(学)”が自分の中で新しい学問の分野になったことはこれからの人生の中で大きく影響してくると思う。生物を利用したテクノロジー全般に関しての可能性を改めて実感したし、自分の生物学、とくに菌学、微生物学に対する興味関心も深まったと思う。志望動機に、大学において自分が生物学を勉強するきっかけにしたいと書いたが、実際にそうなったと思う。(S君)
きのこをはじめ、菌類のことは今まで授業等で取り扱われたことがほとんど無かったので、その生活環について学ぶことができて良かったです。宇治での実習は、生物の遺伝子を扱う実験という点で興味深かったです。教科書などでは簡単に書かれていることでも実際に実験しようと思うとかなりの手間と時間と技術が必要であることを実感しました。(Mさん)
今年はきのこを自宅に持ち帰って育てるということで、妙にきのこに愛着がわきました。それから、なんといってもDNA抽出などの実験をやれたことが一番良かったです。他の一回生には経験できないことだし、将来おそらくやるであろう実験を今の段階で経験できたことは、すごく自分のためになったと思っています。また、研究室の雰囲気にも触れることができ、一般教養科目とは違う、本来の大学の姿を見られた気がします。(T君)
きのこ、バイオテクノロジーどちらにも興味があった私にとって、このポケゼミは本当に楽しいものでした。講義ではいままでのきのこについての考えを覆すような驚きの連続で、きのこの偉大さを感じました。ヒラタケの栽培実習は期待を裏切らない楽しいものでした。ヒラタケの生命力というか成長速度はすごすぎます。(F君)
きのこを育てるというのも貴重な体験でした。原基のさきっちょがだんだん平になってキノコの傘になっていく様子なんて初めて見ました。とてもかわいらしかったです。先日、夜部屋のなかに薄い煙のようなものが漂っていたのです。アロマディフューザーをつけ忘れているのかと思ったのですがそうではなく、そのもとをたどるとなんとヒラタケのみなさんが胞子をくゆらせていたのでした。真っ白いキノコからふぅーっと息をはくように白い煙がゆっくりと流れている様子はなんだか幻想的ですらあってちょっと感動してしまいました。(Iさん)